在留資格「短期滞在」とは
短期滞在ビザは、90日以内の期間で日本に滞在することができる在留資格です。
短期滞在ビザを取得する目的
短期滞在ビザを取得する目的は以下の通り様々です。
● 観光
● 親族訪問
● 知人訪問
● ビジネス(商用)
● 文化活動
● 医療目的
など
ここから、短期滞在ビザは、観光ビザや短期商用ビザ、親族ビザ、招待ビザなどと呼ばれることがあります。
主な滞在目的について解説していきましょう。
【親族訪問】
日本で生活している外国人が自分の家族を短期滞在ビザで日本に招くケースです。
ここでいう家族の範囲は、「3親等内の血族・配偶者・姻族」です。
ちなみにいとこは3親等内の血族には含まれませんので、その場合は、知人訪問という目的で招待することになります。
【知人訪問】
海外にいる外国人を日本に招待するケースです。
招待する外国人は友人や知人、恋人や婚約者など様々です。
申請の際には、呼ぶ人と呼ばれる人の関係を物的証拠で立証する必要があります。
証拠としては、Eメールや手紙、チャットでの交流や写真などがあげられます。
【短期商用】
海外にいる外国人をビジネスの目的で呼ぶケースです。
注意しなければいけないのは、短期滞在ビザでは、収入や報酬が伴う活動は、認められておりません。
ですので、あくまで、商談や会議、研修、報酬の伴わない講演会、市場調査、学会といった活動に限定されます。
※その他の目的については、よくある質問をご参照ください。
短期滞在ビザの在留期間
短期滞在ビザで許可される在留期間は以下の3つです。
@ 15日以内
A 30日以内
B 90日以内
日本での活動内容や滞在の目的に応じてどの在留期間を許可するのか審査されます。
なので例え90日を希望しても30日の在留期間しか許可されない場合もあります。
短期滞在ビザの取得における3人のキープレーヤー
短期滞在ビザの取得にあたっては、主に以下の通り3人の登場人物がいます。
@ 申請人
A 招へい人
B 身元保証人
【申請人】
申請人とは、短期滞在ビザを申請する外国人本人のことです。
短期滞在ビザを取得し日本へ観光目的で入国した後に、そのまま不法に残留して不法就労するケースが増えており、20-40代といった働き盛りの年齢の方は審査が厳しい印象を受けます。
【招聘人】
”しょうへいにん”と読みます。日本側の協力者で、申請人を日本に呼び寄せる人のことです。
招聘人の条件は、「日本国内に住所があること」です。
つまり例えば日本人であっても海外在住の方は招聘人になることはできません。
また、海外在住の日本人が、友人や知人と一緒に日本へ帰国するために短期滞在ビザを取得したい場合は、その日本人の家族が招聘人になることができます。
【身元保証人】
日本側の協力者で、在留期間中の滞在費や法令の遵守を保障する方です。
条件は、「日本国内に住所があること」に加えて、「十分な経済力」も必要です。
1人では金銭的保障が不十分ということであれば、身元保証人は複数たてることもできます。
また、招聘人と身元保証人を同じ人物が兼ねることもできます。
招聘人と身元保証人を別途立てる際に大事なことは、その身元保証人が本当に身元保証人の役割を果たすことができるかを立証することですので、
招聘人との関係が親密で、距離的にも近いところに住んでいる必要があります。
※身元保証人が責任を負わなければならない範囲についてはよくある質問をご参照ください。
短期滞在ビザで日本に入国するケースには次の2パターンがあります。
@ 特に日本に協力者がいない場合
A 日本の協力者が呼び寄せる場合
自分で申請する方法の主なケースは観光目的の場合です。いわゆる観光ビザですね。
観光ビザの場合は、本国の旅行会社で手続きするのが一般的です。
さて、Aの日本の協力者に読んでもらう方法には、次の2パターンがあります。
@ 親族や知人を訪問する目的
A ビジネスで訪問する目的
このことから、短期滞在ビザは、短期商用ビザ・知人親族訪問ビザなどと呼ばれることがあります。
短期滞在ビザの申請場所
短期滞在の在留資格は得るには、出入国在留管理庁ではなく、本国などの日本大使館・領事館においてあらかじめ査証取得の申請をする必要があります。
国によっては、大使館や領事館ではなくて、現地にあるビザの代理申請期間を通して申請しなくてはならない場合があります。
短期滞在ビザの在留期間
さて、査証免除国の方であっても、1回の上陸で認められる滞在日数はそれぞれ異なります。
短期滞在ビザで許可される滞在日数^は、15日・30日・90日です。
基本的に1回の上陸で90日以内の滞在が認められることが多いのですが、タイやインドネシアだと15日以内の滞在しか認められておりません。
一方で、アイルランドやオーストリア、スイス、ドイツ、リヒテンシュタイン、イギリス、メキシコといった国のパスポート保持者は、90日を超えて滞在したい場合、90日間を超える前に出入国在留管理庁において手続きをすれば、最大6か月までの滞在が認められます。
いずれにしても、短期滞在ビザの在留期間の延長には相当の理由が必要になります。
短期滞在ビザの注意点
注意点は以下の つです。
@ 収益活動を行ってはならないこと
A 短期滞在ビザの有効期限は3か月
収益活動を行ってはならない
収益活動とは、収入や報酬を伴う活動のことです。
ビジネス目的の来日であれば、視察や会議への参加、市場調査などは可能です。
また業として行うものではない講演に対する謝金も収入や報酬とはみなされません。
短期滞在ビザの有効期限
短期滞在ビザが発給されてからは3か月以内に日本に入国しなければ有効期限が切れてしまいます。
審査期間は大体1週間くらいですが、長いと1か月以上かかるケースもあります。
2-3か月くらい余裕をもって来日のスケジュールを立てればちょうどよいのではないかと思います。
在留資格「短期滞在」の審査基準
短期滞在ビザの場合は、仮に不許可になったとしても理由を教えてもらえません。
そして同一の目的で再申請するには6か月の待期期間を要します。
短期滞在ビザの審査基準は主に以下の通りです。
@ 提出書類が十分であるか
A 日本在留中の経費を支弁できるか
B 滞在場所がはっきりしているか
C 呼ぶ人と呼ばれる人の関係性が親密か
D 滞在目的と希望している滞在日数に齟齬がないか
E 過去にオーバーステイをしていないか
申請自体が受け付けられないケース
@ 日本国籍有する方からの申請
A 出身国(地域)・居住国(地域)以外の日本大使館又は総領事館へ申請された場合
B 現に有効なビザ又は再入国許可(みなし再入国を含む)を有する方からの申請
C ビザ発給拒否後6か月以内に同一目的で再申請があった場合
D 別の日本大使館又は総領事館でビザ申請中である場合
E 提出書類に不備・不足がある場合
F 旅券の有効期間やビザ貼付欄が不足している場合
G 代理申請する資格のない方/機関により申請された場合
H 在留資格認定証明書交付申請中である場合
よくある質問
在留期間はどの時点から数えるのですか?
民法140条に「日、週、月又は年によって期間を定めたときは、期間の初日は、参入しない(ただし、その期間が午前零時から始まるときはこの限りではない)」という条文があります。
これを初日不算入の原則と呼びます。
ということで、
例えば在留期間が「15日」の短期滞在ビザが許可された場合、
1月3日に入国したとしたら、
1月18日までに出国しなければなりません。
1月3日は1日としてカウントしないということですね。
査証免除国とは何ですか?
査証(ビザ)とは、簡単にいうと、海外にいる外国人が日本に入国するために必要な証書で、在外の日本大使館・領事館で発行されるものです。
※対して在留資格とは、簡単にいうと、日本に滞在するための資格です。
査証免除とは、この手続きを経ずに日本に入国できるということを指します。
言い換えると、日本政府と査証免除協定を締結している「査証免除国」のパスポートを持っている方は、査証申請自体が不要となります。
日本は、2022年時点で68の国を査証免除国としております。
※ 外務省のHPを参照
アメリカやヨーロッパ諸国、韓国など先進国のほぼすべてが査証免除国です。
注意しなければならないのは、訪日者数が最も多い中国は査証免除国ではないということです。
そのため中国の方が日本に入国するためには前もって査証申請が必要となります。
逆に日本人がビザなしで渡航できる国数はいくつあるかご存じですか?
答えは192か国で、世界第一位です。 ※2022年1月時点
短期滞在ビザで来日できる目的にはどのようなものがありますか
在留資格「短期滞在」とは、という記事では、「親族訪問」・「知人訪問」・「短期商用」を解説しましたが、その他にも以下の通り様々な目的があります。
【医療滞在】
海外にいる外国人を日本での医療を受ける目的で招くケースです。
治療行為だけでなく、人間ドックや健康診断、温泉湯治なども含まれます。
【文化交流】
海外にいる外国人に対して日本文化を体験してもらうために招くケースです。
3か月以上の長期にわたる場合は、「文化活動」の在留資格が必要になります。
【短期留学】
海外にいる外国人を日本語学習のために呼ぶケースです。
3か月以上の長期にわたる場合は、「留学」の在留資格が必要になります。
【就職活動】
海外にいる外国人を日本企業での面接など就職活動のために呼ぶケースです。
注意しなければいけないのは、報酬を伴うインターンシップなどは認められません。
【大会参加】
海外にいる外国人を日本で行われるイベントや大会に参加してもらうために呼ぶケースです。
注意しなければならないのは、報酬や賞金が支払われる大会には参加できません。
その場合は「特定活動」や「興行」のビザを検討します。
【同伴帰国】
海外で生活する日本人が、外国人の配偶者と一緒に日本へ帰国する際に申請する短期滞在ビザです。
3か月以上にわたって日本に在留する場合は、「日本人の配偶者等」の在留資格を取得する必要があります。
身元保証人になると何をしなければいけませんか?
身元保証人が保障しなければならない主なことは以下の通りです。
● 申請人の滞在費
● 申請人の帰国するための旅費
● 申請人の在留中における法令順守
身元保証人がこれらについて負う責任は法的なものではなくあくまで道義的なものです。
つまり、ある申請人が違法行為を犯した場合でも、その身元保証人が罰を受けることはありません。
ただし、そのように法令を遵守させられなかった身元保証人としての記録は残りますので、
異なる短期滞在ビザの申請において、その身元保証人がついたビザの審査は、厳しいものにならざるをえないでしょう。